おすすめ10選!

『感動した』おすすめ小説!ランキングTOP10!

『感動した』小説ランキング!TOP10!

僕が直近半年で読んだ約100冊の本の中で最も「感動した」小説10冊を厳選してランキング化しました。ミステリー・サスペンスのジャンルで「次なに読もうかな?」と探している方には参考になると思います!
ランキング10位
書籍名 手のひらの砂漠
著者 唯川恵
映像化
受賞歴

■あらすじ

この不幸は、いつまで続くのだろうか―。平凡な結婚生活の先に待っていたのは、思いもよらぬ夫からの暴力だった。シェルターからステップハウス、DVの被害女性だけで運営される自然農園…。離婚を経て、居場所を変えながら少しずつ自立を果たそうとあがく可穂子に、元夫・雄二の執拗な追跡の手が迫ってくる…。現代の闇に恋愛小説の女王が切り込む、衝撃のノンストップサスペンス!
※「BOOK」データベースより

■感想

これはおもしろい!久々の唯川作品だったけど、やっぱりハズレなし!物語のテーマは「DV(ドメスティックバイオレンス)」。夫のDVを受けているカホコが、苦悩と恐怖にもがきながら、様々な人との出会いを通して、強く、成長していく物語。
今朝の朝刊に(2021年1月13日)、DV件数が年々増えているという記事が出ていた。2020年4月~2020年11月末で、約13万人。平成22年の時は約8万人だったようだから、10年で約2倍に膨れ上がっている。DVの家庭内においては児童虐待の率も高いらしい。本書では描かれていなかったが、子供を虐待するなんて許せない。自分より力の弱いものに対して暴力をふるうこと自体許せない行為。物語序盤に夫のユウジに暴力をふるわれるシーンでは胸が痛んだ。先日、僕の嫁との会話で「好きな作家」という議題になり、東野圭吾、柚月裕子、唯川恵・・・と答えていたところ、「唯川恵」がかなり意外だったらしい。唯川恵は女性好み?の印象が強いらしく、ぼくみたいなおっさんが好んで読んでいるのが不思議らしいw確かに唯川恵作品はミステリーのようなどんでん返しやトリックはない。ただ、どの作品も感情移入でき、物語の世界(唯川ワールド)に引き込まれる。
本書のタイトルを自分なりに考えてみた。カホコにとっては右を見ても、左を見ても、同じ(乾ききった砂漠のような)景色。勇気をもって、諦めることなく歩き続ければ希望がある。過去を握りしめて強く生きていくという”人間の強さ”を描いた作品。

ランキング9位
書籍名 忍びの国
著者 和田竜
映像化 映画化
受賞歴

■あらすじ

時は戦国。忍びの無門は伊賀一の腕を誇るも無類の怠け者。女房のお国に稼ぎのなさを咎められ、百文の褒美目当てに他家の伊賀者を殺める。このとき、伊賀攻略を狙う織田信雄軍と百地三太夫率いる伊賀忍び軍団との、壮絶な戦の火蓋が切って落とされた―。破天荒な人物、スリリングな謀略、迫力の戦闘。「天正伊賀の乱」を背景に、全く新しい歴史小説の到来を宣言した圧倒的快作。
※「BOOK」データベースより

■感想

歴史に基づいたフィクション忍法小説。物語の序盤は登場人物と背景を取り込みうのに集中力が必要だけど、半ば過ぎたくらいからどんどん物語が展開し、疾走感が増していく。個人的な本書のおもしろかった魅力は大きく3つ。1つめは、なんといっても無門の忍法・圧倒的強さ。2つめは、伊賀と伊賀方VS織田方の迫力あふれる戦い。3つめは、伊賀最強の無門がヨメのしりにしかれているというギャップ。最強の男でも愛する嫁には頭があがらない様子は現代チックでにやけてしまう。多くは語れないが、物語後半の無門の心境の変化は胸が打たれた。

ランキング8位
書籍名 楽園のカンヴァス
著者 原田マハ
映像化
受賞歴

■あらすじ

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに篭めた想いとは―。山本周五郎賞受賞作。
※「BOOK」データベースより

■感想

これはおもしろい!おすすめ!本書は本格芸術ミステリー。最近は東野圭吾や柚月裕子のミステリー小説ばかり読んでいた。彼らの小説の特徴は「殺人事件」を軸に物語を展開させていくところ。それに対し原田マハは「誰も死ぬことなく」ミステリーを描いていくイメージ。原田マハ氏の作品は過去に「キネマの神様」「総理の夫」の2作を読んだ。今回は現時点では3作目。どれも読み終えたあとに心地の良い後味を残してくれる。その後味がすごく好き。物語の主人公は早川織絵。アメリカで生まれ育った織絵は幼い頃から美術、絵画に興味を持ち、中でもルソーの研究においていくつもの論文を書き、世界的にも若き天才として名を轟かせていた。ある日、世界的コレクターのバイラー氏から招待を受け、”ある依頼”を受けることになる。”ある依頼”とはバイラー氏が所有するルソー著の”夢”の真贋判定だった。そこから物語は展開していくんだけど、本書の何がそんなにおもしろかったかというと「名だたる芸術家や作品が登場し、当時の時代背景、画家たちの様子、あの名画がどのように生まれたか、その情景や世界観が素敵すぎるところ」。まるで美術館を歩いているような感覚になれる。そして、”存在するはずのない”「もうひとつの”夢”」がなぜバイラー氏が所有しているのか?という”ナゾへの期待”がどんどん高まっていく高揚感がたまらない。そのナゾが解けた「高揚感」が「満足感」にかわり、「満足感」が「心地の良い後味」にかわる。1つの物語でこのような感情の変化が得られるのはすごいこと。あたたかいカフェラテを飲みながらもう一度流し読みしたくなっちゃう。

ランキング7位
書籍名 夏美のホタル
著者 森沢明夫
映像化 映画化
受賞歴

■あらすじ

写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見付ける。そこでひっそりと暮らす母子・ヤスばあちゃんと地蔵さんに、温かく迎え入れられた慎吾たちは、夏休みを「たけ屋」の離れで暮らすことに。夏空の下で過ごす毎日は、飽きることなくシャッターを切らせる。やがて、地蔵さんの哀しい過去を知った慎吾は、自らできることを探し始めるが…。心の故郷の物語。
※「BOOK」データベースより

■感想

ものすごく明るい物語!途中、涙腺がうるっとくる場面も…!親孝行、人に優しくしたい、そんな気持ちになれる心温まる感動ストーリー。物語は夏美と慎吾がツーリングデート中に立ち寄った千葉の古びた雑貨店の店主とその母との出会いから展開していく。数十ページ読んだだけですぐ世界に入り込めた。どの登場人物も魅力的だからかすーっと脳内で映像化できた。本書は映画化もされていて相羽慎吾役は工藤阿須加、河合夏美役は有村架純。ちなみに本書を読んだときの僕の脳内の「勝手にキャスティング」夏美が土屋太鳳、慎吾が森山未來(年齢はあるが気にしないw)「たけ屋」の近くの川遊びのシーンも、川が流れる音や、透き通った水、川沿いに生い茂る木々、情景がぶぁーっとカラーで映像化できた。夏に4歳の息子と渓流でキャンプしたときのことを思い出した。森沢氏の小説は本書がはじめて。人物描写、情景描写が凄腕ですな。他の作品も読んでみたい。

ランキング6位
書籍名 肩ごしの恋人
著者 唯川恵
映像化 映画化、ドラマ化
受賞歴

■あらすじ

欲しいものは欲しい、結婚3回目、自称鮫科の女「るり子」。仕事も恋にものめりこめないクールな理屈屋「萌」。性格も考え方も正反対だけど二人は親友同士、幼なじみの27歳。この対照的な二人が恋と友情を通してそれぞれに模索する“幸せ”のかたちとは―。女の本音と日常をリアルに写して痛快、貪欲にひたむきに生きる姿が爽快。圧倒的な共感を集めた直木賞受賞作。
※「BOOK」データベースより

■感想

序盤から一気に物語の世界観に引き込まれて、最後までノンストップでスラスラ読めた。それくらい面白かった!内容にテクニカルなトリックや大どんでん返しがあるわけじゃないけどなぜここまで自分を惹きつけたのか。その理由は「登場人物への好奇心」だと思う。読者にその感情を抱かせられたのは唯川氏の抜群の卓越した表現力だよね。唯川氏の小説でいうと「100万回の言い訳」をよんだときも今回と同じように引き込まれた。それぞれの登場人物が抱える悩みや人生観、それにもがきながらも自分なりに答えをだそうとする様。新宿二丁目は麻布や六本木と違って「素の街」といった表現には強く共感できた。読み終わった後、もっと人間らしく、幸せホルモンがでまくるような生き方をしたいと思った。

ランキング5位
書籍名 幻夏
著者 太田愛
映像化 日本推理作家協会賞
受賞歴

■あらすじ

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。23年後、刑事となった相馬は、少女失踪事件の現場で同じ印を発見する。相馬の胸に消えた親友の言葉が蘇る。「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」あの夏、本当は何が起こっていたのか。今、何が起ころうとしているのか。人が犯した罪は、正しく裁かれ、正しく償われるのか?司法の信を問う傑作ミステリ。日本推理作家協会賞候補作。

■感想

読後の率直な感想は「これはおもしろい!」登場人物のキャラクター性、司法の闇への問題提起、ミステリー性、物語のテーマ・展開・テンポ、全てにおいてハイレベル。かなり自分好み!太田愛氏の小説は初めて読んだけど、好きになった。
物語はある女性が興信所の所長 鑓水(やりみず)に人探しの依頼をすることろから始まる。その依頼内容は23年前に疾走(行方不明)になった息子の捜索依頼だった…。
「23年前に行方不明になった人が今頃見つかるのか」というハテナマークからスタートしたわけだけど、その行方不明が大きなナゾを秘めていて、そのナゾを解くのが興信所の鑓水とアルバイトの修司、鑓水の友人であり警察官の相馬だ。この3人が個性豊かで惹きつけられる。息子が行方不明になったこと、人殺しの罪で懲役8年くらった元夫。そして8年の刑期を終えた直後にそれが冤罪だったという事実。「冤罪」の影に潜む「日本の司法の闇の」の被害者となった家族の悲劇。物語が進むに連れ「ナゾへの期待」がどんどん膨れ上がって、「ナゾの解」には衝撃的だった。
本書にはシリーズ姉妹作の「犯罪者 上・下」「天上の葦 上・下」もあるようなので、そっちも読んでみたいと思う!

ランキング4位
書籍名 盤上の向日葵
著者 柚月裕子
映像化 ドラマ化
受賞歴

■あらすじ

埼玉県天木山山中で発見された白骨死体。遺留品である初代菊水月作の名駒を頼りに、叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志していた新米刑事・佐野のコンビが捜査を開始した。それから四か月、二人は厳冬の山形県天童市に降り立つ。向かう先は、将棋界のみならず、日本中から注目を浴びる竜昇戦の会場だ。世紀の対局の先に待っていた、壮絶な結末とは―!?
※「BOOK」データベースより

■感想

柚月裕子の小説にハズレなし!今回も想像以上におもしろい!柚月氏の小説は現時点で過去に「孤狼の血」「最後の証人」「検事の本懐」「パレートの誤算」を読んだ。今回で5作目。どれも当たり!(柚月ファンだから無意識に加点してしまってるかもしれないけどw)本書のテーマは「将棋」×「ミステリー」。ある日、さいたまの山奥で白骨死体が発見される。死後3年程経過していて、身元を割り出すことが困難の中、ある手がかりが…。白黒死体が抱くように抱えていたものは「将棋の駒」だった。その将棋の駒は昭和初期に作られたもので特に希少価値の高いものということがわかり、その価格は現在価格で600万円はくだらない。しかも7組しか作られていない。物語が進むにつれ事件と将棋の関連性がみえてきてクライマックスは驚きの展開!「将棋」がテーマというだけですぐ世界観に入り込めた。僕が小学生の頃、隣の祖父の家によく遊びにいっていて、その時祖父に本将棋を教わった。飛車・角なしでも勝てなかったけど、歳を重ねるごとに少しずつ勝てるようになっていった。それがすごく楽しかった。本書を読みながらそんな懐かしさも感じることができた。本書に登場する上条は小学生の頃から将棋雑誌を読み込む程の天才肌。藤井聡太を思わせるカリスマ的な描写は見事。柚月氏は人物描写がうまいよね。本書はかなり読みやすかった。(上)と(下)があるけど、ノンストップで読めた。将棋のルールがわからなくても全然問題ないし、将棋が好きな人には特におすすめ。

ランキング3位
書籍名 キネマの神様
著者 原田マハ
映像化 映画化
受賞歴

■あらすじ

39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。

※「BOOK」データベースより

■感想
もともと僕は大の映画好き。しかもIT業界が長いので、ブログとか集客とかそうゆうテーマもドハマリ。最初からノンストップで読むことができた。主人公もその父も映画が大好きなところがこっちまで伝わってくるし、それがきっかけで父と娘の間の絆が強まる。近い将来映画化もされるそうで、監督は山田洋次。映画も絶対見たい!

ランキング2位
書籍名 永遠の0
著者 百田尚樹
映像化 映画化、ドラマ化
受賞歴

■あらすじ

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくる―。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。

※「BOOK」データベースより

■感想

感動した。本書は、映画化されているものから見たことがあって、あまりに好きすぎて原作も読みたくなり、読んでみた。原作も期待どおり感動。太陽戦争の零戦パイロットの倫理感・人生観が生々しく描かれている。クライマックスは涙がとまらなかった。

ランキング1位
書籍名 翼をください!
著者 原田マハ
映像化 ドラマ化
受賞歴

■あらすじ

暁星新聞の記者である青山翔子は、社内の資料室で一枚の写真を見つけた。それは、1939年に世界初の世界一周を成し遂げた「ニッポン号」の写真だった。翔子は当時、暁星新聞社が社運をかけて取り組んでいたプロジェクトにカメラマンとして参加していた男を追って、カンザス州アチソンへと飛ぶ。老人ホームで暮らす山田は、翔子から渡された古い写真を見て、重い口を開いた。そこには、ある米国人女性パイロットの姿が―。
※「BOOK」データベースより

■感想

本書を読んでまず思ったこと、それは「原田マハがますます好きになった」ということ。めちゃめちゃすき!物語のテーマは「飛行機」。戦後GHQの監督下の元にあった影響で、歴史からかき消された夢が溢れる実話にもとづく物語。世界初世界一周旅行を成し遂げた7人の乗組員。史実には残されていないが、乗組員は7人ではなく8人だった…?
あとがきを読むまでわからなかったが、本書の物語は実話にもとづいている。あまりに壮大なスケールで完成度が高いのでフィクションかと思っていた。戦前の時代、飛行機は「乗り物」ではなく「攻撃兵器」だった。「空から見れば世界は一つなのに」「なぜ争いは起きるのだろう」。「自由」と「勇気」溢れるパイロットの感動ヒューマンストーリー。いつも僕が読んでいる原田マハのタッチとは少し違うミステリアスなタッチで描かれた超大作、これはおすすめ!