おすすめ10選!

おすすめ小説ランキングTOP10!『ミステリー・サスペンス編』~2020年下半期~

おすすめ小説ランキング!TOP10!【ミステリー・サスペンス編】

僕が直近半年で読んだ約100冊の本の中で最も「おもしろい!高評価!」だったミステリー・サスペンス小説10冊をランキング化しました。ミステリー・サスペンスのジャンルで「次なに読もうかな?」と探している方には参考になると思います!




ランキング10位
書籍名 崩れる脳を抱きしめて
著者 知念実希人
映像化
受賞歴

■あらすじ

広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の碓氷は、脳腫瘍を患う女性・ユカリと出会う。外の世界に怯えるユカリと、過去に苛まれる碓氷。心に傷をもつふたりは次第に心を通わせていく。実習を終え広島に帰った碓氷に、ユカリの死の知らせが届く。彼女はなぜ死んだのか 幻だったのか ユカリの足跡を追い、碓氷は横浜山手を彷徨う。そして、明かされる衝撃の真実! 希代のトリックメーカーが描く、今世紀最高の恋愛ミステリー。
※「BOOK」データベースより

■感想

研修医の医者が余命数ヶ月の患者と恋に落ちる。そうゆう物語かと思っていたら、全然違っていた。1ひねりも2ひねりもあっておもしろかった!”もし映画化されていたら?”勝手にキャスティングしてみた。研修医の碓氷先生は「佐藤健」。脳腫瘍を患う女性・ユカリは「吉高由里子」、元カノ役は「水川あさみ」。(もしこのレビューを見てから本書を読む方は是非このキャスティングで読み進めてみてくださいw)医者が余命数ヶ月の患者に恋をした物語の結末は簡単に想像できてしまう。ただ、本書を読み進めていくと、自分が想定していた方向にはいかない。別の方向に舵を切られていく。その先に待っているエンディングはとてもミステリアスで想像を超えてくる。読み終えた時の満足感、後味は抜群。本を読み終えて本を閉じたあとも、目をつぶってオレンジハーブティーを飲みながらもう少しその余韻に浸っていたい・・・。

ランキング9位
書籍名 告白
著者 湊かなえ
映像化 映画化
受賞歴 本屋大賞

■あらすじ

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。

※「BOOK」データベースより

■感想

本書は映画で松たか子が主演になっているのは知っていたので気にはなっていた。嫁が推していたので原作を読んでみたが、衝撃的な展開でめちゃくちゃおもしろかった!クライマックスは誰しもが度肝をぬかれるのでは!?

ランキング8位
書籍名 盤上の向日葵
著者 柚月裕子
映像化 ドラマ化
受賞歴

■あらすじ

埼玉県天木山山中で発見された白骨死体。遺留品である初代菊水月作の名駒を頼りに、叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志していた新米刑事・佐野のコンビが捜査を開始した。それから四か月、二人は厳冬の山形県天童市に降り立つ。向かう先は、将棋界のみならず、日本中から注目を浴びる竜昇戦の会場だ。世紀の対局の先に待っていた、壮絶な結末とは―!?
※「BOOK」データベースより

■感想

柚月裕子の小説にハズレなし!今回も想像以上におもしろい!柚月氏の小説は現時点で過去に「孤狼の血」「最後の証人」「検事の本懐」「パレートの誤算」を読んだ。今回で5作目。どれも当たり!(柚月ファンだから無意識に加点してしまってるかもしれないけどw)本書のテーマは「将棋」×「ミステリー」。ある日、さいたまの山奥で白骨死体が発見される。死後3年程経過していて、身元を割り出すことが困難の中、ある手がかりが…。白黒死体が抱くように抱えていたものは「将棋の駒」だった。その将棋の駒は昭和初期に作られたもので特に希少価値の高いものということがわかり、その価格は現在価格で600万円はくだらない。しかも7組しか作られていない。物語が進むにつれ事件と将棋の関連性がみえてきてクライマックスは驚きの展開!「将棋」がテーマというだけですぐ世界観に入り込めた。僕が小学生の頃、隣の祖父の家によく遊びにいっていて、その時祖父に本将棋を教わった。飛車・角なしでも勝てなかったけど、歳を重ねるごとに少しずつ勝てるようになっていった。それがすごく楽しかった。本書を読みながらそんな懐かしさも感じることができた。本書に登場する上条は小学生の頃から将棋雑誌を読み込む程の天才肌。藤井聡太を思わせるカリスマ的な描写は見事。柚月氏は人物描写がうまいよね。本書はかなり読みやすかった。(上)と(下)があるけど、ノンストップで読めた。将棋のルールがわからなくても全然問題ないし、将棋が好きな人には特におすすめ。

ランキング7位
書籍名 白夜行
著者 東野圭吾
映像化 映画化、ドラマ化
受賞歴

■あらすじ

1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。
※「BOOK」データベースより

■感想

これは僕の嫁が激推しの小説。率直な感想は、、、おもしろい!そして東野氏過去10作品程読んだ中で最も暗いミステリー。赤ワインで例えるなら「軽くて甘め」ではなく「重くて苦い」感じ。僕は「重くて苦み」のある赤ワインが好き。舌で味わおうとすると苦味が強いけど、飲んだあとに鼻ですーっと息を吐いたあとに香る渋みがたまらない。そんな深みのあるストーリー。これまで読んだ東野小説とは描写の仕方、テイストが違うのも、深みを感じた要因かもしれない。物語はある殺人事件をきっかけに動き出す。人生明るいこともあれば暗いこともある。明けない夜はないが、彼らに夜が明ける日がくるのだろうか?本書の特徴の一つは、亮司と雪穂の視点はなくて、彼らを取り巻く人達の視点で物語が展開していく。何を考え、何を思っているかは彼らの行動から読み手が解釈する。だからこそ「鼻から抜ける香りを楽しむ」という味わいを得たのかもしれない。いつもと違う感動を得られたのは言うまでもない。映画化もドラマ化もされていて、ドラマは見た。亮司役が山田孝之、雪穂役が綾瀬はるか。二人ともドハマリ!ドラマを見てない方は是非見てもらいたい!

ランキング6位
書籍名 幻夏
著者 太田愛
映像化
受賞歴 日本推理作家協会賞

■あらすじ

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。23年後、刑事となった相馬は、少女失踪事件の現場で同じ印を発見する。相馬の胸に消えた親友の言葉が蘇る。「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」あの夏、本当は何が起こっていたのか。今、何が起ころうとしているのか。人が犯した罪は、正しく裁かれ、正しく償われるのか?司法の信を問う傑作ミステリ。日本推理作家協会賞候補作。

■感想

読後の率直な感想は「これはおもしろい!」登場人物のキャラクター性、司法の闇への問題提起、ミステリー性、物語のテーマ・展開・テンポ、全てにおいてハイレベル。かなり自分好み!太田愛氏の小説は初めて読んだけど、好きになった。
物語はある女性が興信所の所長 鑓水(やりみず)に人探しの依頼をすることろから始まる。その依頼内容は23年前に疾走(行方不明)になった息子の捜索依頼だった…。
「23年前に行方不明になった人が今頃見つかるのか」というハテナマークからスタートしたわけだけど、その行方不明が大きなナゾを秘めていて、そのナゾを解くのが興信所の鑓水とアルバイトの修司、鑓水の友人であり警察官の相馬だ。この3人が個性豊かで惹きつけられる。息子が行方不明になったこと、人殺しの罪で懲役8年くらった元夫。そして8年の刑期を終えた直後にそれが冤罪だったという事実。「冤罪」の影に潜む「日本の司法の闇の」の被害者となった家族の悲劇。物語が進むに連れ「ナゾへの期待」がどんどん膨れ上がって、「ナゾの解」には衝撃的だった。
本書にはシリーズ姉妹作の「犯罪者 上・下」「天上の葦 上・下」もあるようなので、そっちも読んでみたいと思う!




ランキング5位
書籍名 暴虎の牙
著者 柚月裕子
映像化
受賞歴

■あらすじ

博徒たちの間に戦後の闇が残る昭和57年の広島呉原。愚連隊「呉寅会」を率いる沖虎彦は、ヤクザも恐れぬ圧倒的な暴力とそのカリスマ性で勢力を拡大していた。広島北署二課暴力団係の刑事・大上章吾は、沖と呉原最大の暴力団・五十子会との抗争の匂いを嗅ぎ取り、沖を食い止めようと奔走する。時は移り平成16年、懲役刑を受けて出所した沖がふたたび広島で動き出した。だがすでに暴対法が施行されて久しく、シノギもままならなくなっていた。焦燥感に駆られるように沖が暴走を始めた矢先、かつて大上の薫陶を受けた呉原東署の刑事・日岡秀一が沖に接近する…。不滅の警察小説シリーズ、令和でついに完結!
※「BOOK」データベースより

■感想

これは面白い!本書は「孤狼の血」シリーズの3作目。僕は「孤狼の血」も「凶犬の眼」も読んだので、本書を読むのが楽しみでしかたなかった。内容は最高におもしろい!見事に期待を超える満足感!「孤狼の血」よりも「凶犬の眼」よりもバイオレンス・過激な描写で大迫力だった。今回のテーマは「ヤクザVS半グレ」だ。主人公は「呉寅会」を率いる沖虎彦。相手がヤクザだろうが臆すことなく向かっていく。時代は昭和57年の広島呉原。沖はヤクザの事務所に殴り込み、強奪、リンチ。映画なら間違いなくR15指定だ。ヤクザには2種類ある。「カタギに迷惑をかけるヤクザ」「カタギに迷惑をかけないヤクザ(厳密には迷惑をかけないわけではないが)」。大上は前者をとことん排除する。それが大上にとっての正義。本書にでてくるヤクザは「前者よりか」「後者よりか」を見分けながら読み進めていくと理解しやすいだろう。というのも「敵対しているのはどこの組とどこの組か」をわかっていないと内容は複雑で面白みが半減する気がするからである。(物語冒頭に相関図があるので参考にすることをおすすめする)本書はシリーズ完結編となっているが、本シリーズファンとしては次回作もでてほしい…。

ランキング4位
書籍名 危険なビーナス
著者 東野圭吾
映像化 ドラマ化
受賞歴

■あらすじ

独身獣医の伯朗のもとに、かかってきた一本の電話―「初めまして、お義兄様っ」。弟の明人と最近、結婚したというその女性・楓は、明人が失踪したといい、伯朗に手助けを頼む。原因は明人が相続するはずの莫大な遺産なのか。調査を手伝う伯朗は、次第に楓に惹かれていくが。恋も謎もスリリングな絶品ミステリー。
※「BOOK」データベースより

■感想

読んだあとの率直な感想は、「してやられたー!!」って感じw物語の途中で自分なりに「どんなクライマックスになるか?」を想像して読み進めていったんだけど、見事に想像はハズレて(良い意味で!)、しかもその想像の何倍ものクライマックスだった。ドラマ化もされていて、楓役は吉高由里子、手島伯朗役は妻夫木聡。ドラマはまだ見てないけど、小説だけ読んだ感想でいうと、吉高由里子も妻夫木聡もハマると思う。僕は吉高由里子ファンでもあるので見てみたい(いや、絶対みるw)伯朗が楓と矢神家の相続問題や、その他多くの問題を一緒に協力して解決していく様子は、子供の頃森に「探検」するようなワクワク感や高揚感を感じた。妖艶な楓に対して恋心のような思いを抱いてしまう伯朗の歯がゆさも本書の魅力の一つ!散りばめられたいくつものナゾやクエスチョンも物語の最後には全て気持ちよく解決してくれる。読み終えたあとの満足感を余韻がとにかくすごいんです!東野圭吾作品の中でも特に好きな小説!

ランキング3位
書籍名 容疑者Xの献身
著者 東野圭吾
映像化 映画化
受賞歴 本格ミステリ大賞、直木賞、このミステリーがすごい!

■あらすじ

これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。 –このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
※「BOOK」データベースより

■感想

これはおもしろい!クライマックスのトリックのナゾ解きはルービックキューブの6面を攻略した後のような爽快感と満足感を得られた!東野圭吾作品を過去に8冊程読んだけど個人的に1~2位を争うレベル!ミステリー小説好きの方で本書を読んでない方にはおすすめ!本書は直木賞を受賞している。ある日娘と二人で暮らしている母子に悲劇が。ある犯罪を巡る天才元数学者VS天才物理学者。奇しくも二人は帝都大学時代の同窓でありライバル。つまり友人の間柄である。物語最大の魅力はトリックを仕掛ける側と、トリックのナゾ解きをする側と一進一退の攻防だ。物語後半にはうるっとくる場面もある。人間離れしたトリックと想像不可能な結末は必ず満足できるはず!湯川シリーズは他にもあるので全部見たい!

ランキング2位
書籍名 孤狼の血
著者 柚月裕子
映像化 映画化
受賞歴 日本推理作家協会賞

■あらすじ

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて金融会社社員失踪事件を皮切りに、暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。正義とは何か。血湧き肉躍る、男たちの闘いがはじまる。
※「BOOK」データベースより

■感想

読み終えた率直な感想は「リアルでバイオレンス!」序盤から最後まで興奮しっぱなしで広島弁がより臨場感を演出している。マル暴とヤクザのジャンルはこれまで好んで読むことはなかったけど、マジで読んでよかったw本書がきっかけで柚月裕子の大ファンになった。もともと映画版を見て、映画が良すぎて、そのあとに本書を読んだ。本書と映画の違いなんだけど、ストーリーの大筋は原作と同じだけど微妙に違う点もある。どっちがいい?って聞かれると「どっちもいい!」と答えるね。映画を見たけど原作はまだ読んでないという方も、原作は読んだけど映画はまだ見ていないという方も、必ず裏切りませんので是非どちらも読んでもらいたい!映画は、大上章吾役が役所広司、日岡秀一役が松坂桃李。他にも豪華キャストが出演していて「第42回日本アカデミー賞」をはじめ、数多くの賞を総なめしたほどの大傑作!自分がこの物語のどの魅力に惹かれたのか考察してみた。最大の魅力は「大上の人間性」だ。大上の哲学は”ヤクザを必要悪”としているものの、一方で「カタギに迷惑をかけるヤクザ」は徹底的に排除するというもの。大上はそこに強い信念を持っていて、大上の行き過ぎた操作や法外ともいえる行動に対し批判的な態度を抱いていた日岡も次第に大上の真意を感じ始める。このあたりの日岡の心境が変化していく様もおもしろい!クライマックスは想像のつかない展開で鳥肌がたった。本書の続編である「凶犬の眼」「暴虎の牙」も迫力満点でおすすめ!




ランキング1位
書籍名 スパイの妻
著者 行成薫
映像化 映画化
受賞歴

■あらすじ

太平洋戦争前夜の神戸。福原聡子は、仕事で満州へ渡った貿易商の夫・優作の帰国を待ちわびていた。しかし、帰国後の優作は人が変わったようで、憲兵隊からも目をつけられ始める。満州で一体何があったのか。何を隠しているのか。優作の秘密を探る聡子が目にした驚愕の真実とは―?小説版『スパイの妻』。
※「BOOK」データベースより

■感想

これはおもしろい!ドラマ化・映画化もされているようで、まだ見てないけど、映画版は近々見に行きたいと思っている!物語の舞台は、太平洋戦争前の日本。当時の日本は緊迫していた。国内における敵対国のスパイの取締が激化していたのだ。あることがきっかけで聡子の夫である優作もスパイの嫌疑がかけられていた。物語の中盤から後半にかけて、一気にテンポがよくなっていく。「なぜ優作がスパイの嫌疑をかけられたのか?」「優作が満州で目にしたものとは?」「スパイの妻といわれた聡子がとった行動とは?」見方によっては「正義」とも「悪」ともとれる夫婦の行動。そしてその行動の源である「愛」「絆」。「自由に生きる」という信念を貫いた勇気ある夫婦の儚く、切ない物語。フィクションだけどノンフィクションを思わせるリアリティもたまらない。