
■目次
・内容
・感想、書評、レビュー
・著者略歴
1:内容
毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。
23年後、刑事となった相馬は、少女失踪事件の現場で同じ印を発見する。
相馬の胸に消えた親友の言葉が蘇る。
「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」あの夏、本当は何が起こっていたのか。
今、何が起ころうとしているのか。
人が犯した罪は、正しく裁かれ、正しく償われるのか?
司法の信を問う傑作ミステリ。
日本推理作家協会賞候補作。
2:感想、書評、レビュー
評価:★★★★★
読後の率直な感想は「これはおもしろい!」
登場人物のキャラクター性、司法の闇への問題提起、ミステリー性、物語のテーマ・展開・テンポ、全てにおいてハイレベル。
かなり自分好み!
太田愛氏の小説は初めて読んだけど、好きになった。
物語はある女性が興信所の所長 鑓水(やりみず)に人探しの依頼をすることろから始まる。
その依頼内容は23年前に疾走(行方不明)になった息子の捜索依頼だった…。
「23年前に行方不明になった人が今頃見つかるのか」というハテナマークからスタートしたわけだけど、その行方不明が大きなナゾを秘めていて、そのナゾを解くのが興信所の鑓水とアルバイトの修司、鑓水の友人であり警察官の相馬だ。
この3人が個性豊かで惹きつけられる。息子が行方不明になったこと、人殺しの罪で懲役8年くらった元夫。
そして8年の刑期を終えた直後にそれが冤罪だったという事実。
「冤罪」の影に潜む「日本の司法の闇の」の被害者となった家族の悲劇。
物語が進むに連れ「ナゾへの期待」がどんどん膨れ上がって、「ナゾの解」には衝撃的だった。
本書にはシリーズ姉妹作の「犯罪者 上・下」「天上の葦 上・下」もあるようなので、そっちも読んでみたいと思う!
3:著者略歴
太田愛
香川県生まれ。「相棒」「TRICK2」などの刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけ、2012年、『犯罪者クリミナル』(上・下)で小説家デビュー
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※「BOOK著者紹介情報」