
■目次
・内容
・感想、書評、レビュー
・著者略歴
1:内容
ギリシア神話に登場する、義憤の女神「ネメシス」。
重大事件を起こした懲役囚の家族が相次いで殺され、犯行現場には「ネメシス」の血文字が残されていた。
その正体は、被害者遺族の代弁者か、享楽殺人者か、あるいは…。
『テミスの剣』や『贖罪の奏鳴曲』などの渡瀬警部が、犯人を追う。
※「BOOK」データベースより
2:感想、書評、レビュー
評価:★★★★☆
読後の率直な感想は「考えさせられた」というか「考えてしまった」という感じ。
物語のテーマは「死刑廃止論の是非」。
考えさせられたというのは、死刑か無期懲役か、これまであまりその判決の妥当性や、加害者の家族、被害者の家族の気持ちになって考えたことがなかったから。
本書を読んでそれぞれ登場人物へ感情移入することで自分が裁判員だったらどのようなジャッジをするだろうと想像することができた。
そこまで想像をめぐらせるほど見事な描写。
ついこの間、新聞で「座間殺人事件」の被告人が死刑判決をうけたという記事をみた。
新聞の記事だとここまで深く考えることはない。
中山氏の「ドクターデスの遺産」のテーマは「安楽死」だったけど、読み終えたときの気持ちは似たような感じ。
クライマックスは伝家の宝刀「どんでん返し」アリ。
この「どんでん返し」が中毒性が高く、やめられない。
3:著者略歴
中山七里
1961年生まれ。岐阜県出身。
会社員生活のかたわら、2009年、「さよならドビュッシー」で第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、翌年デビュー
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※「BOOK著者紹介情報」