
■目次
・内容
・感想、書評、レビュー
・著者略歴
1:内容
累計130万部「のぼうの城」作者最新作!
時は一五五六年。
勢力図を拡大し続ける西国の両雄、戸沢家と児玉家は、正面から対峙。両家を支えるそれぞれの陣営の武功者、「功名あさり」こと林半衛門、「功名餓鬼」こと花房喜兵衛は終わりなき戦いを続けていた。
そんななか、左構えの鉄砲で絶人の才を発揮する11才の少年・雑賀小太郎の存在が「最終兵器」として急浮上する。
小太郎は、狙撃集団として名を馳せていた雑賀衆のなかでも群を抜くスナイパーであったが、イノセントな優しい心根の持ち主であり、幼少の頃より両親を失い、祖父・要蔵と山中でひっそりとした暮らしを営んでいた。
物語は、あることを契機に思わぬ方向へと転じていくが–。
※「BOOK」データベースより
2:感想、書評、レビュー
評価:★★★★☆
本書著者の和田竜氏の小説を読むのはこれで3作目。
「のぼうの城」「忍びの国」はどちらもおもしろかった。
時代小説は最近ハマっている。
横山氏の「三国志」、和田氏の「のぼうの城」「忍びの国」、垣根氏の「信長の原理」「光秀の定理」、司馬氏の「燃えよ剣」、これまで読んだ時代小説はどれもおもしろかった。
「読みやすそうでおもしろそうなもの」を軸にチョイスしている。
そしたら本書にたどり着いた。
読後の率直な感想は「期待どおり!」フィクションとは思えないリアリティ、すぐに世界観に入り込めた。
個人的に好きなシーンは、物語後半に半衛門が○○をするんだけど、その行動が「生き方、倫理に反する行動」だと自責の念にかられて自分を見失うシーン。
言うまでもなく半衛門がとった行動は「しょうがない行動」「苦肉の策」であった。
その悲しいできごとは胸を締め付けられる思いだった。
クライマックスの展開も納得感満載だった。
エンディングの小太郎の背中には「戦国時代の苛烈さ」と「悲しい運命を背負いながらも強く生きるという決意」のようなものを感じた。
3:著者略歴
和田竜
1969(昭和44)年12月、大阪府生れ。
早稲田大学政治経済学部卒。
2003(平成15)年、映画脚本『忍ぶの城』で城戸賞を受賞。
’07年、同作を小説化した『のぼうの城』でデビュー
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※「BOOK著者紹介情報」