

■目次
・内容
・感想、書評、レビュー
・著者略歴
1:内容
埼玉県天木山山中で発見された白骨死体。
遺留品である初代菊水月作の名駒を頼りに、叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志していた新米刑事・佐野のコンビが捜査を開始した。それから四か月、二人は厳冬の山形県天童市に降り立つ。
向かう先は、将棋界のみならず、日本中から注目を浴びる竜昇戦の会場だ。世紀の対局の先に待っていた、壮絶な結末とは―!?
※「BOOK」データベースより
2:感想、書評、レビュー
評価:★★★★★
柚月裕子の小説にハズレなし!
今回も想像以上におもしろい!
柚月氏の小説は現時点で過去に「孤狼の血」「最後の証人」「検事の本懐」「パレートの誤算」を読んだ。
今回で5作目。どれも当たり!
(柚月ファンだから無意識に加点してしまってるかもしれないけどw)
本書のテーマは「将棋」×「ミステリー」。
ある日、さいたまの山奥で白骨死体が発見される。
死後3年程経過していて、身元を割り出すことが困難の中、ある手がかりが…。
白黒死体が抱くように抱えていたものは「将棋の駒」だった。
その将棋の駒は昭和初期に作られたもので特に希少価値の高いものということがわかり、その価格は現在価格で600万円はくだらない。
しかも7組しか作られていない。
物語が進むにつれ事件と将棋の関連性がみえてきてクライマックスは驚きの展開!
「将棋」がテーマというだけですぐ世界観に入り込めた。
僕が小学生の頃、隣の祖父の家によく遊びにいっていて、その時祖父に本将棋を教わった。
飛車・角なしでも勝てなかったけど、歳を重ねるごとに少しずつ勝てるようになっていった。それがすごく楽しかった。
本書を読みながらそんな懐かしさも感じることができた。
本書に登場する上条は小学生の頃から将棋雑誌を読み込む程の天才肌。
藤井聡太を思わせるカリスマ的な描写は見事。
柚月氏は人物描写がうまいよね。
本書はかなり読みやすかった。
(上)と(下)があるけど、ノンストップで読めた。
将棋のルールがわからなくても全然問題ないし、将棋が好きな人には特におすすめ。
3:著者略歴
柚月裕子
1968年、岩手県生まれ。
2008年、『臨床真理』で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。
2013年に『検事の本懐』(宝島社)で第15回大藪春彦賞を、2016年に『孤狼の血』(KADOKAWA)で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、『慈雨』(集英社)で“本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10”第1位を獲得
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※「BOOK著者紹介情報」