
■目次
・内容
・感想、書評、レビュー
・著者略歴
1:内容
ガレージや車が燃やされるなど17件続いた放火事件。
険悪ムードが漂う捜査本部は、16件目の現場から走り去った人物に似た男を強引に別件逮捕する。
取調を担当することになった新人検事の佐方貞人は「まだ事件は解決していない」と唯一被害者が出た13件目の放火の手口に不審を抱く(「樹を見る」)。権力と策略が交錯する司法を舞台に、追い込まれた人間たちの本性を描いた慟哭のミステリー、全5話。
第15回大藪春彦賞受賞作。
※「BOOK」データベースより
2:感想、書評、レビュー
評価:★★★★☆
読んだ後の率直な感想は、「当たり!」って感じ。というか柚月裕子は今の所「ハズレなし」。
本書は「最後の証人」と同シリーズ。時系列でいうと「検事の本懐」→「最後の証人」だけど、どっちから読んでも全く問題ないけど、どちらかというと「検事の本懐」から読んだほうがいい。
本書は1章~5章の構成。
各章ごとに内容が完結しているので通勤電車とかでも読みやすそう。
本書シリーズの最大の魅力はなんといっても「佐方貞人」の正義感!上司や権力の圧力がかかろうとも決して屈しない”真実を追求する信念”にたちまち惹かれてしまう。
業界、職種は全く違うけど、半沢直樹を想像してもらえるとわかりやすいかも。(半沢直樹程、攻撃的ではないけれどw)
本書の5章では「佐方貞人の正義感」の起因となるだろう物語になっている。
佐方は「最後の証人」では検事を辞めて弁護士に転向している。
本書を読んで佐方の魅力に惹かれた方は是非そっちも読んでみてもらいたい。
3:著者略歴
柚月裕子
1968年岩手県出身。
2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。
13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。
18年『盤上の向日葵』で「本屋大賞」2位
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※「BOOK著者紹介情報」