
■目次
・内容
・感想、書評、レビュー
・著者略歴
1:内容
「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。
一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。
引退に必要な金を稼ぐために仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。
こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。物語の新たな可能性を切り拓いた、エンタテインメント小説の最高峰!
※「BOOK」データベースより
2:感想、書評、レビュー
評価:★★★★☆
殺し屋の物語。殺し屋といっても凶悪な感じではなくて、軽いタッチで描かれているから「バイオレス」的ではない。
主人公は凄腕の殺し屋「兜(カブト)」。
妻子がいて、子供は大学生の息子。すんなり物語の世界に入り込めた。
それはきっと兜のキャラ性に惹かれたから。
殺し屋の生業をそろそろやめたいと思っている背景には息子の存在が大きかった。
“ずっと続けてきた殺し屋の姿”と”あるべき父としての姿”との間にギャップに後ろめたさがあった。
そのあたりの兜の心の揺れも見どころだ。
表は普通のサラリーマン、裏は凄腕の殺し屋。
ありがちな設定ではあるけれど、そこに共感してしまうのは伊坂氏のテクニックだよね。
3:著者略歴
伊坂幸太郎
1971年千葉県生まれ。95年東北大学法学部卒業。
2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。
04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、短編「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞を受賞。
08年『ゴールデンスランバー』で第21回山本周五郎賞、第5回本屋大賞を受賞
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※「BOOK著者紹介情報」