
■目次
・内容
・感想、書評、レビュー
・著者略歴
1:内容
顔にメスを入れるうち――美と恐怖の異色作
女優、OL、キャバクラ嬢、資産家令嬢。
美容外科医に通う四人の「美」の追求はついに、禁断の領域にまで―ー女性の欲望を極限まで描いて震撼とさせる、異色長編。
※「BOOK」データベースより
2:感想、書評、レビュー
評価:★★★★☆
読後の感想は美容に限らず「超えてはいけない一線がある」と深く感じさせられた。
物語のテーマは「美容整形」。
主だった主人公は、4人の女性と敏腕美容整形外科の女医。
それぞれない闇を抱える女性たちが、美容整形をすることにより、欲求を満たしていく。
その欲求は満足できるものではない。
「もっと美しく」「もっともっと美しく」と、欲は止まらない。
僕は美容整形をやったこともやろうとも思ったことはないから「そこまでやるの?」と思ってしまったが、それは一般的な男目線。
「美の追求」に限界はない。人間の欲にも限界はない。
はどめがきかなくなった女性たちの運命がものすごくリアルに描かれている。
昨今は整形ブームで韓国に旅行&”メンテナンス”にいく女性も増えている。
本書を読む前は、「美容整形は外見をよくするため」のものだと思っていた。
本書を読んだ後は「美容整形は心を満たすため」のものだと思った。
しかし4人の女性はやってもやっても心が満たされなくなっていく。
「超えてはいけない一線」を引けない人間くささがしみじみと感じた一冊。
3:著者略歴
唯川恵
1955年、金沢市生まれ。
銀行勤務等を経て、84年「海色の午後」で第3回コバルト・ノベル大賞を受賞し、作家デビュー。
2002年「肩ごしの恋人」で第126回直木賞受賞。
08年「愛に似たもの」で第21回柴田錬三郎賞受賞
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※「BOOK著者紹介情報」