恋愛小説

『肩ごしの恋人』(唯川恵)感想・書評・レビュー【評価:★★★★★】

■目次

・内容

・感想、書評、レビュー

・著者略歴

1:内容

欲しいものは欲しい、結婚3回目、自称鮫科の女「るり子」。

仕事も恋にものめりこめないクールな理屈屋「萌」。

性格も考え方も正反対だけど二人は親友同士、幼なじみの27歳。

この対照的な二人が恋と友情を通してそれぞれに模索する“幸せ”のかたちとは―。

女の本音と日常をリアルに写して痛快、貪欲にひたむきに生きる姿が爽快。

圧倒的な共感を集めた直木賞受賞作。
※「BOOK」データベースより

2:感想、書評、レビュー

評価:★★★★★

序盤から一気に物語の世界観に引き込まれて、最後までノンストップでスラスラ読めた。

それくらい面白かった!

内容にテクニカルなトリックや大どんでん返しがあるわけじゃないけどなぜここまで自分を惹きつけたのか。

その理由は「登場人物への好奇心」だと思う。

読者にその感情を抱かせられたのは唯川氏の抜群の卓越した表現力だよね。

唯川氏の小説でいうと「100万回の言い訳」をよんだときも今回と同じように引き込まれた。

それぞれの登場人物が抱える悩みや人生観、それにもがきながらも自分なりに答えをだそうとする様。

新宿二丁目は麻布や六本木と違って「素の街」といった表現には強く共感できた。

読み終わった後、もっと人間らしく、幸せホルモンがでまくるような生き方をしたいと思った。

3:著者略歴

唯川恵
1955年金沢市生まれ。金沢短期大学情報処理学科卒。

銀行勤務を経て84年「海色の午後」でコバルト・ノベル大賞受賞。

以後、恋愛小説やエッセイを発表し、02年「肩ごしの恋人」で第一二六回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※「BOOK著者紹介情報」