ミステリー小説

『崩れる脳を抱きしめて』(知念実希人)感想・書評・レビュー【評価:★★★★★】

■目次

・内容

・感想、書評、レビュー

・著者略歴

1:内容

広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の碓氷は、脳腫瘍を患う女性・ユカリと出会う。

外の世界に怯えるユカリと、過去に苛まれる碓氷。

心に傷をもつふたりは次第に心を通わせていく。

実習を終え広島に帰った碓氷に、ユカリの死の知らせが届く。

彼女はなぜ死んだのか 幻だったのか ユカリの足跡を追い、碓氷は横浜山手を彷徨う。

そして、明かされる衝撃の真実! 希代のトリックメーカーが描く、今世紀最高の恋愛ミステリー。
※「BOOK」データベースより

2:感想、書評、レビュー

評価:★★★★★

研修医の医者が余命数ヶ月の患者と恋に落ちる。

そうゆう物語かと思っていたら、全然違っていた。

1ひねりも2ひねりもあっておもしろかった!

“もし映画化されていたら?”勝手にキャスティングしてみた。

研修医の碓氷先生は「佐藤健」。脳腫瘍を患う女性・ユカリは「吉高由里子」、元カノ役は「水川あさみ」。

(もしこのレビューを見てから本書を読む方は是非このキャスティングで読み進めてみてくださいw)

医者が余命数ヶ月の患者に恋をした物語の結末は簡単に想像できてしまう。

ただ、本書を読み進めていくと、自分が想定していた方向にはいかない。

別の方向に舵を切られていく。

その先に待っているエンディングはとてもミステリアスで想像を超えてくる。

読み終えた時の満足感、後味は抜群。

本を読み終えて本を閉じたあとも、目をつぶってオレンジハーブティーを飲みながらもう少しその余韻に浸っていたい・・・。

3:著者略歴

1978年、沖縄県生まれ。東京都在住。

東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。

2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。

12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー。15年、『仮面病棟』が大ヒット。

人気の「天久鷹央」シリーズをはじめ、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『改貌屋 天才美容外科医・柊貴之の事件カルテ』『あなたのための誘拐』など著書多数。

最注目の医療ミステリー作家。
※「BOOK著者紹介情報」