
■目次
・あらすじ
・感想、書評、レビュー
・著者略歴
1:あらすじ
昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。
飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。
やがて金融会社社員失踪事件を皮切りに、暴力団同士の抗争が勃発。
衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…
正義とは何か。血湧き肉躍る、男たちの闘いがはじまる。
※「BOOK」データベースより
2:感想、書評、レビュー
評価:★★★★★
読み終えた率直な感想は「リアルでバイオレンス!」序盤から最後まで興奮しっぱなしで広島弁がより臨場感を演出している。
マル暴とヤクザのジャンルはこれまで好んで読むことはなかったけど、マジで読んでよかったw
本書がきっかけで柚月裕子の大ファンになった。
もともと映画版を見て、映画が良すぎて、そのあとに本書を読んだ。
本書と映画の違いなんだけど、ストーリーの大筋は原作と同じだけど微妙に違う点もある。どっちがいい?って聞かれると「どっちもいい!」と答えるね。
映画を見たけど原作はまだ読んでないという方も、
原作は読んだけど映画はまだ見ていないという方も、
必ず裏切りませんので是非どちらも読んでもらいたい!
映画は、大上章吾役が役所広司、日岡秀一役が松坂桃李。他にも豪華キャストが出演していて「第42回日本アカデミー賞」をはじめ、数多くの賞を総なめしたほどの大傑作!
自分がこの物語のどの魅力に惹かれたのか考察してみた。最大の魅力は「大上の人間性」だ。
大上の哲学は”ヤクザを必要悪”としているものの、一方で「カタギに迷惑をかけるヤクザ」は徹底的に排除するというもの。
大上はそこに強い信念を持っていて、大上の行き過ぎた操作や法外ともいえる行動に対し批判的な態度を抱いていた日岡も次第に大上の真意を感じ始める。
このあたりの日岡の心境が変化していく様もおもしろい!
クライマックスは想像のつかない展開で鳥肌がたった。
本書の続編である「凶犬の眼」「暴虎の牙」も迫力満点でおすすめ!
3:著者略歴
柚月裕子
1968年、岩手県出身。2008年『臨床真理』で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。
13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞を、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞
※「BOOK著者紹介情報」